諏訪峠の展望台からの「アルカディア」
イザベラウォークが開催される
梅雨の晴れ間の絶好の天候の中、7月13日にイザベラウォークが開催されました。141年前の1878年(明治11)6月に東京を発った英国人旅行家イザベラ・バードは7月13日に諏訪峠を越えて小松の町にやってきました。イザベラ・バードは小松に1泊し、黒川、高山、吉田、洲島を通って赤湯に出たと記されており、その道を辿り、立ち寄ったところに立つことで当時の情景を思い浮かべて、古のロマンを感じることができました。
イザベラ・バートが記した紀行文「Unbeaten Tracks in Japan」は、本町出身の英語学者高梨健吉氏が初めて「日本奥地紀行」として和訳し世に広めたもので、その縁というものも感じるウォークでした。
ウォークは、道すがら案内人から紀行文の一説を紹介し、参加者が思い思いに話しながら歩みをすすめ、3時間余りのコースをあっという間に歩ききりました。コースの途中には諏訪峠の古道も含まれていて、「なかなか歩けないコース」を満喫しました。
※高梨健吉氏
旧小松町で生まれる。旧制中学校の英語教諭を経て慶應義塾大学教授となり、英学史研究を続ける一方、その紹介書及び高校生向けの参考書などを多数執筆、戦後日本の英語教育に力を注がれました。
イザベラ・バードによる「Unbeaten Tracks in Japan」は過去に研究していた先人はいたものの、当時一般にはほとんど知られていませんでしたが、1973(昭和48)年、高梨氏が手掛けた同書初の和訳本「日本奥地紀行」が出版されました。バードが小松に滞在してから95年後のことでした。(高梨氏を紹介するコーナーが『交流館あいぱる』にあります。)