↑信仰を集める子育て地蔵のお堂
塚之上地蔵尊
吉島地区大字吉田の県道高畠川西線沿いに祀られている地蔵尊で、「子育て地蔵」と称され信仰されています。昭和の中頃まで、お堂のある場所が小高い丘であったことが塚之上の名前の由来と伝えられています。鎌倉時代の建保2(1214)年、地域の人々がこの地に草庵を建立し、地蔵尊の石仏を安置したことが始まりとされています。本尊は石造六尺の地蔵菩薩立像で、脇侍として左に地蔵菩薩坐像、右に十一面観音坐像が祀られています。毎年4月24日が縁日で、前夜祭から白い大きな幟旗が掲げられます。
明治10(1877)年、旧吉田村でコレラが流行した際、子どもを含む多くの村民が亡くなり、その供養と、これからの子どもの成長を願って子育て地蔵として信仰されるようになったと伝えられています。以来、おさなごの身体堅固にご利益があるとされ、お堂には願いが叶った人からのお礼の「あてこ」(よだれかけ)が数多く奉納されています。
つい先頃も、「子どもの夜泣きがひどく、お参りを続けていたらお蔭様で夜泣きがなくなった」といってお礼参りに来た人の姿があったとのことです。子どもの健やかな成長という願いは、いつの時代も変わることはありません。
2021年4月15日発行 町報かわにし4月号掲載