わが町のたからもの「本の樹」


↑本の樹と井上ひさし展示室(遅筆堂文庫提供)

本の樹

川西町フレンドリープラザ内、図書館入り口の扉を開けるとすぐ、中央に高くそびえる書棚が目を引きます。「本の樹」といい、ここには読者から寄贈された井上ひさしの著作本が展示されていて、次の読者へ手渡していく役割をもっています。
本の樹は、平成22年11月、井上ひさし展示室の開設にともない誕生しました。構想の背景には、井上が生前語っていた言葉があります。井上が尊敬し親しく交流していた鶴岡市出身の作家・藤沢周平の没後十年を記念して発行された本の中で、藤沢作品を研究しその情報を発信することや、講座の開催などのアイデアをあげ、作品が読み続けられるために「鶴岡の人たち、山形の人たちが藤沢文学の最高の理解者になるよう願っている」と結んでいます。井上が藤沢のふるさとに対してそう願ったように、川西町に住む私たちは井上作品の一番の理解者であり愛読者となって、次の世代に末永く読み継いでいこうという思いが込められています。
これまでに寄贈された井上著作本は700冊あまりにおよび、今後学校などで活用される予定です。読み終えた著作本が手元にある方は、一緒に本の樹を育ててみませんか。次の世代を育てる肥やしとなるかもしれません。

2022年3月15日発行 町報かわにし3月号掲載

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