わが町のたからもの「むくり鮒」


↑冬の風物詩・玉庭むくり鮒(玉庭地区交流センター提供)

むくり鮒

むくり鮒は、置賜地方に伝わる郷土料理です。体長10センチ程度の鮒を背開きにして内臓をとってきれいに洗い、内側からめくって素焼きにし、高温の油で2度揚げした後、甘辛いタレで味付けするものです。「むくり」は置賜地方の方言で「めくる」が訛ったものといわれています。
このあたりの地域では昔から、田んぼや小川で豊富に獲れる寒鮒がよく食べられていました。一説には、上杉鷹山公が冬場の貴重なタンパク源として推奨したと伝えられています。かつては各家庭でも作られていたむくり鮒ですが、環境の変化や作り手の減少などの影響により、今日では希少品となりました。
本町では現在、玉庭地区の休耕田を活用した養魚場で養殖された鮒が「玉庭むくり鮒」として加工・販売され、冬の風物詩となっています。初夏から晩秋にかけて玉庭の豊かな環境に育まれ、丁寧な手作業で仕上げられたむくり鮒は臭いもなく、サクサクとした軽い食感で骨まで食べることができます。
背開きにすることが開運を連想させることから、昔から縁起物として正月料理やお祝いの席に並んできました。今日では、ご飯のおかずやおつまみとしても親しまれており、町・県内外を問わず多くの注文があるそうです。

むくり鮒は1月末頃まで、かわにし森のマルシェ、浴浴センターまどかなどで購入いただけます。

2022年1月15日発行 町報かわにし1月号掲載

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