わが町のたからもの「端午の節句と笹巻き」


↑昔から親しまれてきた笹巻き

端午の節句と笹巻き

 端午の節句は、毎年5月5日に男の子の健やかな成長と幸福を願い、甲冑や武者人形を飾り、庭にのぼり旗や鯉のぼりを立てて祝う年中行事です。もとは月の端(はじ)めの午(うま)の日におこなっていたことがその名の由来です。
 古くは奈良時代にその記録がみられ、宮中では、貴族たちが邪気を払うとされる菖蒲の花を髪飾りにして参内し、天皇から薬玉を賜りました。武士の時代になると、菖蒲が「尚武」と同じ読みで、葉の形が剣を連想させることなどから、近世以降は男の子の節句とされるようになりました。
 町内各地に残る年中行事の記録によると、菖蒲と蓬の葉を軒先に飾って厄除けとし、そのお風呂を沸かし、笹巻きと菖蒲酒を神棚に供え、それを家族もいただいてお祝いしていたとあります。
 笹巻きは、昔からこの日に食べる山形県の郷土料理として親しまれてきました。円錐形やこぶしの形、黄色いものなど地域により様々な特徴がありますが、本町では三角形で白いものがお馴染みです。
 町内では、節句に使用する植物の生育が積雪の影響で遅れ、なかなか手に入りにくいことから、かつては新しい笹の葉がとれる頃、ひと月遅れの旧暦でお祝いすることが多かったとのことです。

2020年4月15日発行 町報かわにし4月号掲載

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