わが町のたからもの「高豆蒄瓜」


↑高豆蒄瓜の粕漬(高豆蒄・佐藤勝子さん作)

高豆蒄瓜(こうずくうり)

新鮮な食材が手に入りにくい冬の時期に、保存食として昔から欠かすことのできなかったものが漬物です。なかでも粕漬は、酒造りの盛んな本町では各家庭で漬けられ、お茶請けとしても親しまれてきました。その材料として代表的なものが瓜ですが、本町には高豆蒄地区のわずか数軒のみで生産されている伝統野菜・高豆蒄瓜があります。
高豆蒄瓜は、成熟しても甘くならないシロウリの一種で、4月頃に種をまき、7月~8月頃収穫の時期を迎えます。実は薄緑色で20センチ前後の俵型をしており、肉厚で、漬物にしたときのパリパリとした食感が特徴です。その昔、上杉鷹山公が栽培を奨励したと伝えられています。
高豆蒄瓜の粕漬は大変な手間をかけて作られます。漬け方は様々ですが、実を縦半分に切って種の部分をとり除いたあと1か月程度塩漬けにし、きれいに洗ってから酒粕と砂糖で漬け、1か月程度おいてそれをとり除き、新しい酒粕と砂糖で漬けるという作業を2~3回繰り返すことで、べっ甲のように輝く粕漬が出来上がります。
不思議なことに、ほかの土地で栽培してみても肉厚に育たなかったり、実自体がならなかったりするという高豆蒄瓜。貴重な伝統野菜と昔ながらの食文化をこれからも大切にしていきたいものです。

高豆蒄瓜の粕漬は森のマルシェで購入いただけます。

2022年2月15日発行 町報かわにし2月号掲載

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